長生術とは

長生術は、極僅かしか存在しない「日本の伝統療術」の一つ

「長生術って、結局どんな施術なの?」

 

長生学園への入学を検討している人の中には、このような疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

 

私自身も、入学前に長生術について調べました。しかし、ネット上にある説明を読んでも、何となく分かるのは「脊椎矯正」くらい。

 

「プラーナ療法」「精神療法」と言われても、具体的に何をするのか、なかなかイメージできませんでした。

 

実際に施術を受けても、最初の印象は、

「身体をゆっくり揺らしながら、全身に比較的弱い刺激を加えている」

といった程度でした。

 

しかし、授業で長生術を学び、さまざまな先生の施術を受け、自分でも繰り返し練習していくと、単なる「弱いマッサージ」ではないことが少しずつ分かってきます。

 

長生術には、

  • 脊椎や関節をみる視点
  • 軟部組織への独特な触れ方
  • 手掌全体で相手を「把握」する感覚
  • 心地よい振幅・リズム
  • 患者さんとの信頼関係
  • 施術者自身の心の状態

など、いくつもの要素が含まれています。

 

そして、それらを個別の技術としてではなく、一つの施術の中で統合していくことが長生術の特徴なのだと私は考えています。

 

このページでは、長生学園の公式な説明も紹介しつつ、実際に長生術を学んだ立場から「結局、何をやっている施術なのか?」をできるだけ具体的に整理してみます。

 

長生術・長生医学については、施術者や教員によって解釈に違いがあります。以下は長生学園の公式見解そのものではなく、公式情報に私自身の学習経験・臨床的な考察を加えたものです。

 

 

長生術とは

 

長生術(長生療術)は、1931年に始まった日本発祥の伝統療術です。

 

長生学園の公式な説明によると、その始まりは長生上人が仏教の精神を基盤として研究・確立した治療法にあります。その後、1956年に「あん摩マッサージ指圧師」の養成校として長生学園が設立されました。

 

そして長生医学では、次の3つを基本としています。

 

長生術の3本柱大まかな意味
脊椎矯正脊椎・関節・姿勢など身体構造へのアプローチ
プラーナ療法手を介した触れ方、生命力・「気」を重視する考え
精神療法心身のつながりと患者さんとの信頼関係を重視する考え

 

つまり長生術は、単に「背骨をボキッと矯正する施術」ではありません。

 

身体構造への働きかけ、手による触圧刺激、施術者と患者さんとの関係性を一体として捉える手技療法と考えたほうが、実際の施術内容を理解しやすいと思います。

 

 

長生術は文章だけでは理解しにくい

 

長生術の難しいところは、「知識として理解すること」と「手で理解すること」に大きな隔たりがある点です。

たとえば、

  • 密着する
  • 把握する
  • プラーナを込める
  • 心地よい振幅をつくる

と説明されても、最初は何のことか分かりません。

 

ところが、上手な先生の施術を何度も受け、自分でも繰り返し練習していると、

 

「こういう触れ方のことだったのか」

 

と後から理解できることがあります。

 

その意味では、長生術は資料や動画だけで完全に理解するのが難しい手技だと思います。

 

特に重要なのが、これから解説する「脊椎矯正・プラーナ療法・精神療法」と、番外編として紹介する「独自の軟部組織アプローチ」です。

特徴① 脊椎矯正

長生術の中で、最も一般の人にもイメージしやすいのが「脊椎矯正」です。

 

長生では脊椎を身体の重要な部分と捉え、その状態を確認しながら施術します。公式カリキュラムでも、脊椎矯正だけでなく、運動法やストレッチなどを組み合わせて身体を整えることが紹介されています。

 

「矯正=バキバキ」ではない

 

「脊椎矯正」と聞くと、

 

首や腰を捻って「バキッ」と鳴らす施術

 

を想像する人も多いと思います。

 

しかし、長生術における矯正はそれだけではありません。

 

比較的ゆっくりと関節を動かす方法、身体を揺らしながら調整する方法、ストレッチ、運動など、さまざまな矯正方法があります。

 

したがって、

 

長生術=バキバキ整体

 

と理解してしまうのは少し違います。

 

むしろ実際の施術では、一般操作によって全身を緩めながら、必要に応じて関節・脊椎への直接的な操作を加えていくというイメージのほうが近いと思います。

 

 

「歪み」をどう考えるか

 

一方で、「背骨が歪んでいるから症状が出る。だから歪みを戻せば治る」と単純化してしまうことには、私は慎重です。

 

臨床では、明らかな左右差や変形があっても困っていない人もいます。

 

逆に、見た目には大きな問題がなくても強い痛みを訴える人もいます。

 

そのため私は、

 

脊椎のアライメントそのものを治療目的にするのではなく、その人の症状や動作、可動性、神経症状、生活背景などを評価する中の一要素として脊椎をみる

 

という使い方が現実的だと考えています。

 

たとえば、ある方向へ関節を動かすことで症状が軽減するのであれば、その反応は治療のヒントになります。

 

逆に「左右非対称だから」という理由だけで、必ず対称な状態へ戻さなければならないとは考えていません。

 

 

矯正手技そのものを目的にしない

 

関節音が鳴る矯正を好む人もいれば、怖いと感じる人もいます。

 

施術者側でも、積極的に用いる人と、ほとんど使わない人に分かれます。

 

私は、この違い自体は悪いことではないと思っています。

 

重要なのは、

 

「矯正すること」ではなく、「患者さんに何が必要なのか」

 

だからです。

 

特に頸部などについては、年齢、既往歴、症状、患者さんの不安や希望などを十分考慮する必要があります。

 

本人が怖がっているのに無理に高速の矯正をする必要はありません。

 

長生術を学ぶうえでも、

 

歪みを見つける → とりあえず矯正する

 

ではなく、

 

評価する → 必要な刺激を選択する

 

という視点を持っておくことが重要だと思います。

 

そして後述するように、長生術の魅力は脊椎矯正単独ではなく、脊椎・関節へのアプローチと独特の軟部組織手技が一つの施術に融合していることにあると私は感じています。

長生術の特徴② プラーナ療法

長生術を初めて知った人が、最も「?」となりやすいのが「プラーナ療法」だと思います。

 

長生学園では、プラーナを『宇宙万有に活力を与える原質であり、生命の源をなすもの』とし、『精気または霊気』とも説明しています。

 

長生医学では、健康な人から病気で悩む人へプラーナが伝わると考え、患部に手を当てて状態を把握したり、「良くなれ」と念じる「正思念」とともに治療へ応用するとされています。

 

これだけ聞くと、

 

「気功のようなもの?」

「手から何か特殊なエネルギーを出すの?」

 

と思うかもしれません。

 

私も入学当初は、プラーナをどう理解すればよいのか、かなり戸惑いました。

 

 

プラーナを西洋医学的にどう考えるか

 

まず前提として、「プラーナ」という名称の生命エネルギーが存在し、それが施術者の手から患者さんへ移動することが、西洋医学的に証明されているわけではありません。

 

では、長生で教わるプラーナ療法は、西洋医学を学んできた立場から見ると、まったく意味のない概念なのでしょうか。

 

私は、そうとも思っていません。

 

 

長生術を学んでいく中で、私はプラーナ療法を、

 

「治療効果を発揮しやすい条件を、施術者側からできるだけ整えていく考え方」

 

として捉えるようになりました。

 

人が治療を受けるとき、身体へ加えられる刺激だけが作用しているわけではありません。

 

「良くなりそうだ」という期待、過去の治療経験、施術者への信頼、説明の仕方、施術者の表情や態度、触れられたときの安心感や心地よさなど、

 

治療を取り巻くさまざまな要素が治療体験に影響します。

 

現代医学では、こうしたものは「文脈効果(contextual effects)」などとして研究されています。

 

そのため私は、

 

長生で「プラーナ」と表現されてきた現象の中には、現代医学でいう「期待」「条件づけ」「治療者―患者関係」「疼痛調節」などで説明できる部分も含まれているのではないか

 

と考えています。

 

もちろん、これは「プラーナの存在が科学的に証明された」という意味ではありません。

 

あくまで、プラーナと呼ばれてきた治療現象を、現代医学で説明できる要素へ一つずつ分解して考えているということです。

 

 

「気持ち」だけではなく、実際の触れ方も重要

 

そしてもう一つ重要なのが、長生術における実際の「手」の使い方です。

 

長生術では、

  • 手掌全体を身体へ密着させる
  • 相手を「把握」する
  • 心地よい圧や振幅を加える
  • 一定のリズムで身体を操作する

といった触れ方を非常に重視します。

 

接触面積、圧、圧の変化、密着、温度、振幅、リズムなどは、いずれも身体へ実際に入力される感覚刺激です。

 

そのため長生におけるプラーナは、少なくとも実際の施術場面では、

 

「相手を良くしたい」という施術者の意識や患者さんとの信頼関係と、熟達した触圧覚刺激が重なったもの

 

として表現されているように、私には感じられます。

 

つまり、すべてを「特殊なエネルギー」で説明する必要もなければ、反対に「単なるプラセボ」として片づける必要もないと思っています。

 

長生術には、実際の触圧刺激や関節運動という身体への入力があり、その上に、期待、信頼、安心感、施術者の態度といった治療を取り巻く文脈が重なっています。

 

私は、この「身体への刺激」と「治療を取り巻く文脈」を分離せず、一つの施術として扱おうとしているところに、プラーナ療法の面白さがあると感じています。

 

なお、私がプラーナ療法をどのように捉えているのかについては、

  • 相手を良くしたいという施術者の意識
  • 患者さんとの信頼関係
  • 施術者自身の迷いの少ない一貫した態度
  • 熟達した「施術家の手」
  • プラセボ・文脈効果や疼痛科学との関係

なども含めて、別記事で詳しく考察しています。

 

⇒『 長生術の「プラーナ療法」とは?現代医学の視点から考えてみる』

 

 

そして、ここまで述べてきた「信頼」「安心感」「施術者の姿勢」といった要素は、長生術の3本柱のもう一つである「精神療法」とも強くつながっています。

 

次に、この「精神療法」が長生術の中でどのような意味を持つのかを考えてみます。

長生術の特徴③ 精神療法

長生術の3本柱の一つが「精神療法」です。

 

名前だけを見ると、心理カウンセリングや心理療法のようなものを想像するかもしれません。

 

しかし、少なくとも私が長生術を学ぶ中で理解した精神療法は、それとは少し違います。

 

長生学園では、身体だけでなく心にも目を向け、患者さんに寄り添う姿勢を施術者にとって重要なものとしています。

 

「心と身体は別々ではない」という発想

 

強いストレスを感じれば、以下などが生じることがあります。

  • 身体に力が入る
  • 呼吸が浅くなる
  • 食欲がなくなる
  • 眠れなくなる

 

また、身体の痛みが長期間続けば、不安になったり、気持ちが落ち込んだりすることもあります。

 

このように「心」と「身体」を完全に切り離して考えないことが、長生における精神療法の根底にあります。

 

患者さんを「症状だけ」で見ない

 

腰痛の患者さんを、

 

「腰が痛い人」

 

としてだけ見るのか。

 

それとも、

 

「痛みのせいで仕事が不安になっている人」

「趣味を続けられなくて落ち込んでいる人」

 

として見るのか。

 

同じ患者さんでも、施術者の見方によって関わり方は変わります。

 

長生でいう精神療法を、私は、

 

症状のある身体だけではなく、その身体を持って生活している人そのものを見る姿勢

 

だと理解しています。

 

技術と人間関係は切り離せない

 

非常に優れた技術を持っていても、

  • 話を聞かない
  • 説明しない
  • 高圧的
  • 患者さんが怖がっていることをする

という施術者であれば、患者さんは安心して身体を預けられません。

 

反対に、丁寧に話を聞き、相手を尊重し、安心して施術を受けられる環境をつくれば、身体の力も抜けやすくなります。

 

つまり、

 

精神療法はプラーナ療法の土台でもある

 

と私は考えています。

 

信頼関係がある。

↓

安心して身体を預けられる。

↓

そのうえで、熟達した「手」が触れる。

↓

そして長生独自のリズムで身体を操作していく。

 

こう考えると、「脊椎矯正」「プラーナ療法」「精神療法」が三位一体とされている理由も理解しやすくなります。

特徴④(番外編) 独自の軟部組織アプローチ

ここまで「脊椎矯正・プラーナ療法・精神療法」について解説しました。

 

しかし実際に長生術を学んでいて、

 

「これこそ長生術の特徴では?」

 

と私が感じるものがあります。

 

それが、軟部組織に対する独特なアプローチです。

 

公式には3本柱に含まれていないので「番外編」としていますが、実技として長生術を理解するうえでは非常に重要です。

 

 

長生術は単純な「持続圧」ではない

 

あん摩・マッサージ・指圧にはさまざまな方法があります。

 

一般的な指圧では、狙った部位へ圧を加え、一定時間保持する方法も多く使われます。

 

一方、長生術では、

 

「把握する」

 

という考え方が非常に重要になります。

 

ここでいう把握は、単に筋肉をつかむという意味ではありません。

 

  1. 手掌や指を広く接触させながら、
  2. 手を身体へ密着させる
  3. 皮膚の余分なたるみを取る
  4. 軟部組織へ適度な予備緊張を与える
  5. 相手の身体を手の中へ収める
  6. その状態から圧や振幅を伝える

 

といった感覚です。

 

 

「皮膚のダブリを取る」と刺激が変わる

 

たとえば、皮膚表面へ真っすぐ圧を加えるだけでは、力の一部が皮膚の移動によって逃げてしまいます。

 

そこで、皮膚の余裕を軽く取った状態から軟部組織へ力を伝えます。

 

すると、それほど大きな力を使わなくても、

 

「弱いのに深く入る」

 

という感覚が出てきます。

 

この感覚を理解すると、長生で繰り返し指導される「把握」の意味が少し見えてきます。

 

 

「弱圧」と「強圧」は対立するものではない

 

長生術を習い始めた頃は、

 

「もっと強く押したほうが気持ちいいのでは?」

 

と感じる学生もいると思います。

 

実際、強い指圧が好きな人が長生術を初めて受けると、

 

「少し物足りない」

 

と感じることがあります。

 

しかし、長生術の目的は単純に弱く押すことではありません。

 

密着感や把握を重視する場合には弱い圧が使いやすく、軟部組織へより大きな機械的刺激を加えたい場合には圧を強めることもできます。

 

つまり、

 

弱圧か強圧かではなく、何を目的としてその刺激を使うのか

 

が重要です。

 

 

「把握+振幅」が長生らしい

 

さらに長生術では、把握した状態から身体へ心地よい振幅を加えていきます。

 

この振幅も、ただ左右に揺らせばよいというものではありません。

 

患者さんの身体の大きさや硬さに合わせながら、

 

患者さんに合わせた柔らかな三次元的方向への振幅刺激を加えていきます。

 

上手な人の施術を受けると、局所を押されているというより、

 

局所を中心に、身体全体が心地よく動かされている

 

ような感覚になります。

 

この「振幅刺激」に、

  • 密着
  • 把握
  • 圧
  • リズム
  • 施術者の身体操作

が合わさります。

 

この一連の操作にプラーナや精神療法の考えまで加わるところが、長生術の面白いところです。

 

 

長生術の特徴は「組み合わせ」にある

 

脊椎矯正だけを見れば、類似する技術は他の徒手療法にもあります。

 

振幅刺激だけを見ても、似た手法はあります。

 

軟部組織への圧刺激も珍しいものではありません。

 

しかし、

 

独特な把握を伴う軟部組織手技+振幅+脊椎・関節への操作+施術者の精神性や患者との関係性

 

を一つの施術体系としてまとめているところに、長生術らしさがあると私は考えています。

 

各パーツだけを取り出すのではなく、この「組み合わせ」まで理解して初めて長生術が見えてきます。

長生術に興味のある方へ

長生術に興味を持ち、「長生学園ではどのようなことを学ぶのだろう?」と入学を検討している方もいれば、すでに入学し、手技に悩みながら練習を重ねている学生さんもいると思います。

 

長生術は、文章や動画を見るだけでは分かりにくく、実際に練習したり、先生や先輩からフィードバックを受けたり、自分自身が施術を受けたりする中で、少しずつ理解が深まっていく手技です。

 

以下の記事では、長生学園の基本情報だけでなく、実際に学んで感じたことや「長生学園あるある」、長生術を実際に体験できる付属治療院についてまとめています。

 

⇒『長生学園とは?実際に学んで感じた特徴・学生あるある・付属治療院を紹介』

終わりに

ここまで、長生術について、

 

  • 脊椎矯正
  • プラーナ療法
  • 精神療法
  • 独自の軟部組織アプローチ

 

という特徴から、長生学園での学び、学校生活、付属治療院まで紹介してきました。

 

かなり長いページになりましたが、ここまで詳しく書いたのには理由があります。

 

それは、私自身が長生学園へ入学する前、「長生術とは結局何なのか」がよく分からなかったからです。

 

 

このページを書こうと思ったきっかけ

 

入学前、私も長生術についてインターネットで調べました。

 

しかし出てくるのは、

 

「脊椎矯正」

 

「プラーナ」

 

「精神療法」

 

「自然治癒力」

 

といった言葉が中心でした。

 

脊椎矯正は何となく想像できます。

 

しかし、

 

「プラーナ療法では具体的に何をするのか?」

 

「精神療法とマッサージがどう結びつくのか?」

 

「普通のあん摩・マッサージ・指圧とは何が違うのか?」

 

ということまでは、なかなか見えてきませんでした。

 

実際に長生術を受けても、最初の印象は、

 

「身体を揺らしながら、比較的弱い刺激で全身を施術するんだな」

 

という程度でした。

 

そして少し意外だったのは、入学すればすぐにすべてが明確になるわけでもなかったことです。

 

  • 先生によって圧の強さも違う。
  • 振幅も違う。
  • 矯正に対する考え方も違う。
  • プラーナについて尋ねても、表現の仕方が違う。

 

最初のうちは、

 

「結局、何が長生術の本質なのだろう?」

 

と余計に分からなくなることさえありました。

 

ただ、さまざまな先生の施術を受け、自分でも練習を重ね、西洋医学で学んできた知識とも照らし合わせていくうちに、

 

表面的な手技には違いがあっても、その奥にはある程度共通した考え方がある

 

と感じるようになりました。

 

このページで書いてきた、

 

「密着」

 

「把握」

 

「振幅」

 

「リズム」

 

「脊椎・関節への働きかけ」

 

「患者さんとの信頼関係」

 

「施術者自身の心の状態」

 

などが、それにあたります。

 

もちろん、これはあくまで私が長生術を学ぶ過程でたどり着いた一つの解釈です。

 

長生医学・長生療術に対する考え方には個人差があり、先生によっても、卒業生によっても異なります。

 

したがって、このページを「長生術の唯一の正しい解説」として読んでほしいとは思っていません。

 

むしろ、

 

「長生術って何をやっているのか分からない」

 

と感じている人が、自分なりに理解するための一つの材料になればと思って書いています。

 

 

「長い歴史がある」ことと「正しい」ことは別の話

 

長生術には長い歴史があります。

 

日本で生まれ、一つの療術として今日まで継承されてきたこと自体には大きな価値があると思います。

 

また、あん摩・マッサージ・指圧を学びながら、長生術という独自の施術体系まで身につけられることは、施術家として一つの強みになり得ます。

 

一方で、

 

「長い歴史があるから効果がある」

 

ということにはなりません。

 

伝統があることと、その治療理論が科学的に証明されていることは別の話です。

 

これは長生術に限ったことではありません。

 

カイロプラクティックでも、オステオパシーでも、さまざまな徒手療法でも同じです。

 

だからこそ私は、長生術を学ぶときにも、

 

  • 「なぜ、この手技を行うのか?」
  • 「身体には何が起こっているのか?」
  • 「別の説明はできないだろうか?」

 

考える姿勢が重要だと思っています。

 

 

「何が起きているか」を考える

 

私がこのページを書こうと思った直接的なきっかけの一つに、長生学園で受けた生理学の授業があります。

 

その授業で印象に残ったのが、

 

「今行っている手技に、どのような生理学的な意味があるのかを考えることが大切だ」

 

という趣旨の話でした。

 

これは、EBM(Evidence-Based Medicine:根拠に基づく医療)を学び、臨床で実践してきた私にとって非常に腑に落ちる言葉でした。

 

「この手技をすると患者さんが良くなった」

 

という経験は大切です。

 

しかし、

 

「なぜ良くなったのか?」

 

まで考えなければ、そこで思考が止まってしまいます。

 

たとえば長生術で身体へ振幅押圧を加えた結果、患者さんの筋緊張が低下したとします。

 

それを、

 

「プラーナが伝わったから」

 

と説明することもできるでしょう。

 

しかし同時に、

 

「心地よい触圧覚刺激やリズミカルな身体運動によって、神経生理学的な変化が起こったのではないか」

 

「施術に対する期待や安心感などの文脈効果も関与していたのではないか」

 

と考えることもできます。

 

前述したプラーナ療法について、私があえて西洋医学的な解釈をかなり詳しく書いたのも、このためです。

 

長生で伝統的に使われてきた言葉を否定する必要はありません。

 

しかし、

 

そこで起きている現象を、別の角度から説明できないか考えてみる。

 

その作業を続けることが、長生術をこれからの時代につなげていくうえでも重要なのではないかと思っています。

 

 

科学で説明できないから「間違い」とも限らない

 

一方で、ここには逆方向の注意も必要です。

 

現在の医学で十分に説明できないからといって、

 

「科学的に説明できない → 存在しない → 学ぶ価値がない」

 

と短絡的に考えるのも違うと思います。

 

医学には、現象が先に知られ、後からメカニズムが明らかになってきたものが数多くあります。

 

徒手療法についても、私たちがまだ十分理解できていない現象はあるでしょう。

 

だから私は、

 

「科学的根拠がまだ十分でないから全部否定する」

 

という立場でもなければ、

 

「長い歴史があり、先生がそう言っているから全部正しい」

 

という立場でもありません。

 

まず現象を見る。

自分でも体験する。

医学的に説明できる部分は説明する。

分からない部分は、分からないものとして残しておく。

 

これくらいの距離感がちょうどよいと思っています。

 

 

長生術を「信じるか、信じないか」だけにしない

 

長生術を学んだ卒業生でも、その後の付き合い方はさまざまだと思います。

 

長生術を臨床の中心にしている人。

 

一般操作だけを使っている人。

 

脊椎矯正だけを部分的に取り入れている人。

 

他の徒手療法と組み合わせている人。

 

ほとんど使わなくなった人。

 

どれが正解という話ではありません。

 

3年間学んだからといって、一生その考え方だけを使い続けなければならないわけでもありません。

 

重要なのは、

 

自分が何をしているのかを理解し、目の前の患者さんに必要なものを選択できること

 

だと思います。

 

そのためには、長生術だけを学ぶのではなく、解剖学、生理学、病理学、運動学、疼痛科学など、一般的な医学知識も学び続ける必要があります。

 

そのうえで、

 

「長生術のこの部分は使える」

 

「これは自分には必要ない」

 

「この考えは別の理論で説明したほうが理解しやすい」

 

と、自分なりに取捨選択していけばよいと思います。

 

 

このページが「長生術を考えるきっかけ」になれば

 

このページは、

 

  • 長生術に興味があり、これから学んでみたい人
  • 長生学園への入学を検討している人
  • すでに長生学園で学んでいるものの、「結局、長生術とは何なのだろう?」と感じている人

 

に向けて書きました。

 

私自身、入学前に、

 

「こういうページがあれば、もう少し長生術をイメージしやすかったのに」

 

と思えるものを目指しています。

 

そして、ここまで読んで、

 

「面白そうだから長生術を学んでみたい」

 

と思う人もいるでしょう。

 

逆に、

 

「自分には合わなさそうだ」

 

と思う人もいるでしょう。

 

どちらでもよいと思います。

 

長生術は、文章だけで完全に理解できるものではありません。

 

興味があるのであれば、まず実際に受けてみる。

 

そして、学ぶのであれば実際に手を動かす。

 

さらに、

 

自分の手で感じたことを、自分の頭でも考える。

 

伝統だから盲目的に信じるのでもなく、科学的に説明しきれないから切り捨てるのでもなく、

 

「なぜなのだろう?」

 

と考え続ける。

 

私自身も、このサイトを通じて長生術を学び直しながら、その答えを考えていきたいと思っています。

手技関連コンテンツ~一般操作を中心に~

長生学園では、長生術のなかでも主に「一般操作」を学ぶ比重がが高いので、内容も一般操作が中心です。

ただし、一般操作はある程度統一した手順・やり方が存在しますが、講師(あるいは先輩方)によって少しづつ異なるため、「一般操作の大枠を掴む」程度の認識で活用してもらえれば嬉しいです。

もちろん、記事を読むだけで実施できる訳ではないため、対象読者は以下になります。

  • 長生学園の学生さん
  • 長生術に興味があり、学校でどういったことを学ぶのか漠然とでも知りたい

 

 

上記記事を観覧するにあたっての留意点は以下になります。

 

エビデンス・メタ認知的考察は記載していない

学んだ内容を素直にそのまま受け入れつつ記載した記事になります。「郷に入れば郷に従え」といった感じで学生時代は学んでいましたし、その様な記述になっています。そのため、エビデンスの有無やメタ認知的考察はほとんど無い点はご了承下さい。

 

私にしか理解できない表現も含まれている

また、学生時代に私が作成した記事であり「私が調整術を研鑽するためのメモ的要素」がふんだんに盛り込まれているため、「ここで、ギューッとする」や「チョチョッと動かす感じ」など私が分かれば良い(=他者にはほぼ伝わらない)ような表現も混じっているかもしれません。また、文章で手技を記すことの限界もあります。その点はご了承下さい。

 

この点は以下の記事でも補足解説しているため、長生学園の学生さんには一読してもらいたいです。

 

 

その他の記事

 

以下は「それ以外の長生術」や「長生学園以外で、私が習った整体施術」を記しています。

 

長生術には関係のない内容も「ついでに備忘録代わりに残しておきたい」との気持ちから掲載しており、このサイトにはそぐわない内容ではありますが、ご了承下さい。

 

AAAA

  • AAAA

BBBB

  • BBBB

CCCC

  • CCCC