背臥位操作ー上肢・胸部・頭部

特殊手技(要パス)

 

①合谷(合谷を親指と示指ではさみ、母指でトントンと圧を加える。握手しながら合谷刺激するのは密着感UPしておススメ!!)

②指関節緩め絞り込み(親指から一本ずつ、側面・上下緩めて・関節を緩めて・抜く)

③手の甲をホウキで緩める

④手掌全体の母指圧迫・手掌ひろげ

⑤橈骨神経(「肘の曲池から合谷まで:親指側」という考えも)

⑥正中神経(手を持ち替え「前腕の内側・真ん中・手掌全体で把握し押圧」)

⑦三角筋把握(手掌全体で把握し、円を描くように)

⑧上腕三頭筋(腋窩から肘まで。特に筋腹だけではなく腱もしっかり把握すること!)

⑨上腕二頭筋(手を持ち替えて、肩関節下から肘まで。筋腹を母指で押さえると痛いので把握をする人)

 

最近では⑤~⑨に関して以下のようでもOKということになった。

こちらの方が、流れがスムーズ

⑤三角筋把握

⑥上腕三頭筋把握(特に上腕三頭筋腱を刺激するのは重要)

⑦橈骨神経ライン

 

手を持ち替えて

⑧上腕二頭筋把握(筋腹直上というよりは少し内側寄りを軽く把握する程度。筋腹をしっかり母指で押すと痛い!内側寄りを把握するためには、しっかり前腕回外する必要あり)

⑨正中神経ライン(把握しながら、母指で正中神経ラインを刺激する)

 

⑩折母指で腋窩刺激+肩関節内転しつつ、腋窩神経を折母指で刺激

⑪上肢の天井側引き上げ

⑫肩関節回旋(握手するようにし、自分の方に少し引きながら徐々に小~大)

⑬バンザイして、手根押圧(肩甲骨~上腕近位を畳側へ押し付ける)

⑭(上肢を尾側へチョッピリ牽引しつつ)肩甲帯を背側へ押し込みストレッチ

(+αで手首を両手で軽く握り、波打つように引くのもアリ)

⑮第7頸椎引き上げ(外側手で肩を軽く押さえ、内側手で第7頸椎から掻き出し)

⑯腕神経叢の掻き出し(片手・両手。胸骨の上まで滑らせてくる)

 

先生曰く、背臥位上肢のポイントは「施術者の母指から前腕・上腕を一直線にしてアプローチすること」らしい。母指を尺屈したら一直線になるので、ぜひやってみて!
 
慣れない内は、自身で「1・2・3・4・5・6・7」とリズムを取って数えながら実施するのがおススメ。患者はリズムが遅すぎても早すぎてもイライラするので、まずは適切なリズムが取れるよう癖付けるように。これは、背臥位上肢に限らず、全ての長生に当てはまる。

 

以降は「患者の左側」へ実施することを想定して記載していく。

 

合谷

 

少し近位に入れ過ぎてしまうことが多いので注意。

 

 

先輩が「手背から示指橈側に対して、鉤爪のように数本の指を当てる方法」を教えてくれる。

 

握手しながら合谷刺激するのも密着感UPしておススメ!!(長生的にはこちらがおススメ)。

 

指関節緩め絞り込み

 

基節骨・中節骨(母指の場合は基節骨のみ)を「側面」「前後面」の順にピンピンと引っ張ったあとに、IP(PIP・DIP)を「側面」「前後面」の順に絞めて、最後にピッと爪を抜く。

指をピンピンと牽引するのは「包み込むむように」「テンポ良く」実施したほうが良い。

 

 

手の甲をホウキで緩める

 

手の甲をホウキで緩める。

 

 

手掌全体の母指圧迫・手掌ひろげ

 

母指と小指の間に、両手を入れ込んで関節をキメて、「手掌全体を母指で圧迫する」「手掌をひろげる」を実施する。

 

関節をキメる場合には、無理に広げすぎないよう注意。

 

「手掌ひろげ」は、「そもそも関節可動域が底までないので実施しなくても良いのでは?」とも言われている。「指を決めないほうが皮膚を広げやすいのでは?(包み込むように広げられるから)」と思い検証したが、同級生は「関節を決められて母指・小指球を広げられた方が気持ち良い」と。

 

「あん摩の上肢全体揉捏」のように手関節を捏ねる(関節モビライゼーション)も気持ち良い。

 

 

橈骨神経の走行を目安とした前腕後外側への操作(把握+母指圧迫)

 

左前腕は軽度回内位にする。

術者は左手で手首を把持しつつ、右手で操作。母指圧迫もするが、振幅も加える。

中山先生のテキストには「橈骨・尺骨間の母指圧迫」と記載。

あん摩の「前腕後側揉捏」と同様なポイントへ母指が来るように。

橈骨神経の走行を解剖学的な目安の一つとしながら、前腕後外側の筋・筋膜などの軟部組織を把握して母指圧を加える。

練習では1か所7回ずつ、3か所でラインを終わらせる感じ。

 

 

正中神経の走行を目安とした前腕掌側への操作(把握+母指圧)

 

左の正中神経の走行を解剖学的な目安としながら、前腕掌側の軟部組織を広く把握して母指圧・振幅を加える。

前腕は回外位へ変更。

術者は手を持ち替え、右手で手首を把持しつつ、左手で操作。母指圧迫もするが振幅も加える。

練習では1か所7回ずつ、3か所でラインを終わらせる感じ。

 

 

「三角筋の把握+螺旋」「三頭筋・二頭筋の把握+振幅」

 

再び手を持ち替える(術者左手で前腕保持しつつ、右手で操作)。

で、三角筋を外側より「全体を包み込むように把握」+振幅。

 

そのまま三頭筋も包み込むように把握+振幅。

手を持ち替えて(術者右手で前腕保持しつつ、左手で操作)、上腕二頭筋把握+振幅。

 

中山先生は持ち替える際に手が患者から離れてしまうから、二頭筋も手を持ち替えずに実施する。この場合、三角筋把握の延長上(側面からの把握)を上腕二頭筋把握とする。

 

先生より「上腕三頭筋は筋腹のみならず腱も十分把握することが大切」と。

授業では、上腕三頭筋は筋腹だけでなく腱周囲まで丁寧に把握するよう指導された。実際に腱周囲への刺激を心地よいと感じる人もいた。

 

折母指で腋窩刺激+肩関節内転しつつ、腋窩周囲への折母指操作

 

折母指を用いて腋窩周囲の軟部組織へ接触しながら、肩関節運動を組み合わせる。

 

術者右手で、患者左手首を把持しつつ肩関節外転位に操作。

 

術者左手で「前腕回内・折母指」にした状態で、左腋窩へ入れ込む(入れ込む角度は若干内転方向)。

 

 

術者の手を逆にしないこと!(左腋窩へのアプローチなら、左手を腋窩に入れ込む)。

 

術者右手で「尾側への牽引」を加えたまま、肩関節を内転していく。

刺激が強い場所なので、完全に内転するのではなく、途中で内転を止めて微調整しつつ、完全内転位までもっていく(持っていけないなら無理はしない)。

 

例:「1・2回目は軽く、3回目でギュッと内転」みたいな感じ。

 

「腕を体側に沿わせた状態」で、そこから更に「上肢を尾側へ引き腋窩を刺激」という考えもある。

 

折母指にするのは飽くまで初心者だから。勤務先サロンでは、腋窩への母指圧は過敏であるが有効とされており、必ずしも折母指にこだわる必要はない。

 

このアプローチしている際に、4指は鎖骨に接していると思うので、そのまま「鎖骨上窩」へ4指を接した状態で、次の手技へ移行する。

 

 

天井側へ上肢を引き上げる(缺盆を軽く刺激)

 

術者左手根を鎖骨下へ置いた状態(圧迫させるわけではない)で、鎖骨上(缺盆)を軽く四指で触れる。

 

缺盆は強く圧すると不快な部位なので注意。

 

術者右手で、左手首を把持しつつ天井側へ引き上げる。

 

上肢を天井方向へ軽く牽引することで、上肢と肩甲帯を連動して動かす。

この際、胸鎖関節・肩鎖関節を含む肩甲帯にも運動が生じると考えられる。

 

腕力で天井側へ引き上げるのでは、挙上軸がぶれやすいし、持ち上げるのに精いっぱいで缺盆周囲や関節モビリティーの評価が疎かになってしまいやすい。なので体幹を使って引き上げる。方法は以下の通り。

①右片膝立ち位になる。

②この姿勢で患者の手首を把持した状態は「肩甲骨外転位(つまり、天井側に持ち上げた状態)」と同じ。

③PTの体を前屈した状態がスタートポジション。そこから体幹伸展させれば自然と患者の肩甲骨も外転してくる。

 

別報としては「鎖骨下を手指で押圧しながらの操作」がある。この場合は、触れる位置が鎖骨下の「斜角筋停止部」「鎖骨下筋部」などとなり、経絡的には(缺盆ではなく)気戸を刺激していることになる。この場合は、ある程度強く圧しても問題ない。
 
この手法のまま「握手」をして上肢をグルグル回す(次の手技へ移行する)。
 
※鎖骨に当てていた手は、どこか患者の一部へ触れておく。

 

 

肩関節回旋

 

患者と握手して「自分の方に少し引いた状態」にて、肩関節を回していく。

 

小さな円から、徐々に大きく。

 

次の操作である「上肢を挙上すること」を考慮して、「時計回り」or「反時計回り」のどちらに回すかを決めていく。

 

例:左上肢の場合は「反時計回り」⇒「時計回り」にしたら、そのまま「次のアプローチ」へスムーズに移行できる。

 

先輩流:

先輩からは、反対の手を肩甲帯へ添えておくと接触が途切れず、より愛護的な印象になると教わった。

長生術の表現では、こうした接触を「プラーナを送る」と説明することもある。

ここでいうプラーナは医学的に確認されたエネルギーを意味するものではなく、長生術独自の施術イメージとして記載している。

 

そのままバンザイヘ移行。

 

 

バンザイして、手根押圧

 

バンザイして、手根押圧(肩甲骨~上腕近位を畳側へ押し付ける)。

 

肩関節の可動域が人によって違うので注意しながら実施。

 

肩関節挙上位で肩甲帯へ内転方向の操作を加えることで、肩後面~腋窩後面の軟部組織(小円筋・大円筋など)に伸張感が生じることがある。

 

「バンザイした上肢」を「下垂位」に戻して、次へ移行する。

 

 

上肢を牽引しながら、肩甲帯を腹側へ圧迫

 

術者は「患者の左手首」を右手で把持し、尾側に向かって軽く牽引する。

この状態で「左肩甲帯」をPT左手で背側方向へ軽く圧迫してあげる。

 

肩甲帯が前方へ位置している人では、肩甲帯を後方へ誘導することで前胸部に伸張感が生じることがある。

大胸筋・小胸筋を含む前胸部組織への伸張刺激という意味合いはあるが、特定の筋だけを選択的に伸張したり、この操作だけで姿勢そのものを矯正したりすることを意味するものではない。

 

ただし、必ずしも伸張感を狙っているわけではないので軽めに施行して、次の手技に移る。

 

+αで手首を把持してロープをフルフルさせるように振動するのもアリ(W整体でも実施する手法)

 

 

第7頸椎引き上げ

 

まずは、左肩のラインから斜めに術者左手をC7へ入れ込んで棘突起を引っ掛ける。

 

更に、術者右手で左肩を固定(圧迫するというより、浮かないよう固定って感じ⇒忘れやすいので注意!)。

 

「引っ掛けたC7棘突起」を、頭・外・腹側へ引き上げる様に振幅刺激。

 

ズルズルと皮膚をまさぐられて手を背中に入れ込まれるのが苦手な人がいる。そのような人には「半臥位へ操作してC7へ入れ込んでから背臥位へ戻す」という手法もあり。

 

胸骨の上まで滑らせてくる。

 

 

肩甲骨上角~頸肩部の軟部組織への操作(「腕神経叢の掻き出し」と表現

 

スタートポジション:

「C7頸椎引き上げ」のスタートポジションから始めても良い。

また、肩の固定も「C7頸椎引き上げ」と同様。

ただ「腕神経叢近傍の組織へのアプローチ」と考えた場合、肩甲骨上角あたりからスタートしても構わない。

っとなると(肩は固定せず)両手を使って「犬の穴掘り」のように掻きあげていくのもアリ。

 

操作方法:

肩甲骨上角から頸肩部にかけて、僧帽筋・肩甲挙筋などを含む軟部組織へ手指を接触させ、掻き上げるような方向へ操作する。

腕神経叢が近傍を走行することは解剖学的に意識するが、「腕神経叢そのものを掻き出す」手技ではない。

 

 

運営者:長生術ノート管理人

  • 長生学園卒業
  • あん摩マッサージ指圧師
  • リハビリテーション領域の国家資格保有
  • 臨床経験15年以上

 

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